今日は前回、最後でふれた「正しい写真の選び方」について書いていきます
髪型の選び方が分かって、どんな髪型にするか決まったとしても、それを伝えられなければなーんの意味もありません。
そしてここでやっちゃいけないのが、口のみで伝えようとすること
相当に高いコミニケーション能力とボキャブラリーがあるなら別ですが、口で美容師に伝えてもまず伝わりません。
「プロなら理解してくれるだろう」なんて考は甘すぎます
そんな阿吽の呼吸は「伝える側」と「聞く側」のコミニケーション能力が高いことが前提なのです
残念ながらそんな能力高い人、僕は見たことがありません。
人間と言うものは具体性が一切なく、抽象的に生きているものです(要はその場の勢いやノリに流されて生きている)
なのでコミニケーションって実はかなり難しいんですよね。
医者の友人が言っていましたが、
「患者のいってることがハチャメチャで何言ってるかさっぱり分からない。正確な診療をしてほしいならちゃんと伝える努力をしてくれ」
と、言っていました。
「一般人が聞いたら怒るだろうな・・・苦笑」と思う反面、僕自身も「わかるわかる」とも思うわけです
コレに関しては反対意見も多いのでしょうが個人的にはまさにその通りだなと。
むしろ僕は賛成派
やはり「伝える」というものは、お互いの気遣いが不可欠であると言うのが僕の考えです
「美容師ならプロだから分かってくれる」という丸投げは危険極まりないのです(実際にうちにくる修正依頼は丸投げが原因のものも多いです)
「お互いの気遣い」という意味で、
客側は「髪型を自分なりにぼんやりでもいいから考える」
美容師側は「そのイメージを具体化し理想的になる手段を考え、分かりやすく伝える」
という気遣いが必要だと思います。
と、いうわけで「写真の選び方」なんぞをブログに書いてみるわけです。これは僕なりの気遣いですね(笑)
ちなみにうちとしましては、
・具体的にすると時間がかかるため1人あたりの予約時間をおおめにとる
・フェアな判断ができるように感覚ではなく理屈で伝える
・仕上がりの予想を伝えるのみで、良し悪しの判断はこちらでは一切行わない
・やりたいなら止めない
・遠慮せずに言う
・ブログでの情報提供
を気遣いとして行っております。
特に理屈で伝える部分の比重が大きく「なんかめんどくさい奴」っぽくなってしまいますが、それも味としてお付き合いください
(まー嫌だったら見ないし、来ないだろうけど)
そーいう意味で文章は便利ですね~僕の話は超絶に長く、具体的すぎて聞いてて疲れますから。
女の人は理屈重視の男きらいでしょう(苦笑)
では本題にいきましょう
正しい写真の選び方です
最近はスマホがあるので画像をもってくる人が多いです
それ自体は大変いいことで、もっとも正解に近いことだと思います
しかし写真がイケてない。
どーいうことかといいますと、持ってきた写真がまったく参考にならないのです
髪型がどーなってるかよく分からないものが多いんですよ。
画像の写りが悪すぎるとか、ほとんど顔しか映ってないとか、写実的すぎてもはや作品になってるなど・・・
実際に良い例、悪い例をもとに説明していきます
悪い例
・テレビをスマホでとったもの
写りが悪く、暗すぎてもはやさっぱり分かりません
髪の毛が影だらけだと見えないのと同じなので意味がないです。
↑暗すぎ&顔しか映ってないパターン。なにがなんだかさっぱり分かりません
暗すぎパターンその2
これも髪型の形しか見えません。細かい部分が見えないとダメです
「大まかな形が見えればプロなんだからできるんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、僕はコンディションや準備には神経質なほどに異常に気にします
写真の細かい写りなど、そういった細かい部分をあいまいなまま仕事はできません。
なぜかというと「お客さん」って自分では意識ないと思いますけど、めっちゃ細かい部分気にしてるんですよ
美容室の失敗って、この部分をないがしろにしたことが失敗の原因な場合が多いんです。
お客さんは細かい部分気にするんだから、美容師も細かく神経質に準備するべきなのです
常連の方が「まーこんな感じで、あとはまかせるわー」みたいな軽いノリなら、この画像程度でも大丈夫ですがはじめて行く美容室ではよくないと思います。
テレビを見ていて「あ、この髪型いいな」とおもったら、その女優名で検索して分かりやすいのがないか見てみましょう
結構ありますのでね。
・髪がまともに写っていない
以外に思うかもしれませんがこれも役に立ちません
だってこれ髪の毛30%ぐらいしかみえてないでしょ(笑)
しかもタチ悪いことにナナメ向いて上が見切れてます
これも細かい部分が見えないので参考になりません。
・正面だけ
これ一番意外じゃないですかね?
実は前だけでは髪型どーなってるのかよーわかりません。髪型は後ろから作るものです。
後ろができたら前は勝手に出来るものというのが僕の持論です
後ろみたらいいカットなのかなんてコンマ1秒で分かります。しかし前からではわかりません。
そして後ろがきれいだからこそ全体のバランスがきれいに見え、美しく見えるのです
ぶっちゃけ前はオマケです。後ろを切れば、前が勝手に出来上がる
後ろがいい感じなら前もいい感じになるのです。
まあ持論ですが、カット上手い人は後ろにこだわる傾向にありますね
カットの失敗はだいたい後ろから始まるのですよ。
できれば前、横、後ろの写真があるといいです
しかし都合よくあるものでもないので、なければ前だけでもかまいません
ないよりはましなので。
・写実的、芸術的、作品的な写真
これ結構もってこられる人が多いのですが一番困るパターン
どんな写真かっていうとこーいったやつなのですが↓

これは化粧品のやつ
あとこんなんも
これはプロのヘアメイクアーティスト、写真家、フォトショップなどでの加工されている写真です
なので現実性がいっさいありません。
実在の人間を使っておりますが、半分漫画の世界であるとお考えください
ありえないぐらいセットしておりますし、見えない部分はピンでとめまくって「くびれなど」を作ったりしております
なので物理的に「こんな髪型ならねーよ」みたいなものが大半です(苦笑)
分け目とか目立たないようにアイシャドウ塗り込んだりしてますので(笑)
こういったものは「髪形がかわいい」のではなく「写真として美しい」というものなので、そこから「髪型のみ」を切り出すことは出来ません
すべてがそろって1つの作品なわけですね。
切り出したとしても、
分け目にアイシャドウ塗って
後ろはピンでとめまくってメリハリだして
ナナメ前から常に扇風機で風をあてて髪に動きを出す
なんぞできないでしょ。
いくらなんでも、僕もそこまでセットがんばれとはいえません
こんな写真はもはやこの世のモノではないのです
良い例
というか僕のオススメ方法ですね。正直、ココまでの内容でこう思ったでしょう?
「はあ~!?めんどくさ!?なんでたかが髪型にココまでせなあかんねん?めんどくさーってやってられへんわ?」
と。
そこで、便利なのがネット。ネットで検索すればいくらでも画像出てきます
本屋にある、いわゆるヘアカタでも構いません。
髪型を見せるために作ってあるので明るいし、前、横、後ろもちゃんとあることが多いです
こんな感じ
そして前も言いましたが、髪形の種類なんて7つしかないわけですから、
「あの女優の髪形がいい」と思ったとしても、この中に同じようなのはあるわけです。
ネットで髪型調べるのがめんどくさい場合はヘアカタログがオススメですね
もっともわかりやすいです。
ちなみに美容室にはこーいったモノ置いてますが、美容室で見るのは失敗パターンです
じっくりゆっくりみないと、ちゃんと選べませんからね。
美容師と選ぶのではなく、自分1人で選ぶことが重要なのです
素人が1人で選んだものを見て、美容師がなんらかのアクションをとってくる
この順序が大事なのですよ。
髪型頻繁に変える方や、一世一代の髪型チェンジのときなんかは買っておくといいですよ
半年に一回新しいのでますが買いなおす必要はなくて、10年は使えます
(みなさん勘違いしてますが髪型に流行なんてないです、所詮組み合わせですから)
まとめると、
暗い写真や情報量のすくないものはさける
写実的で髪型と言うより写真が作品となってるものはこの世のものではないのでダメ
前だけでなく横と後ろがあるとベスト(横の写真が一番ほしいです)
ヘアカタログが最強
と、いうことです。
ちなみにですが、ここまで書くと必ず写真を持ってこなければいけないって感じしますが、なければないで仕方ないので、あまり深く考えないでください
(髪型を変える場合や、はじめての店に行く場合はあるにこしたことないです)
うちの場合、あんまり持ってくる人いないですね(苦笑)
今回の記事は美容室に写真もっていくなら、覚えておきましょう。
髪形についていくつか書いてきましたが、だいたい書きつくした感があるので、とりあえず今回でこのシリーズは終了です
7記事くらい?多分それぐらいあったと思いますが、これだけ見といたらそこらの美容師より髪型に詳しいですよ。
髪型を正しく理解していれば変な頭にはそうそうなりません
変なたまになる人って注文の仕方が下手くそすぎるんですよね
みんな勘違いしてますが、口で説明しないほうがいですよ
喋れば喋るほど失敗します。
うちなんか1フレーズしか必要ないです
僕「髪型のジャンルは何にしますか?」
客「ショートにしたいです」
これで十分すぎますね。
これ以上は失敗の原因にしかなりません
注文する時にごちゃごちゃ言うクセある人は、覚えておいてください(笑)